Ukulelemamanの呟き

フランス生活 (時々ドイツ) と子育てを綴っています~

【育児比較 ドイツ・フランス】ドイツ人母親はフランス人母親を『カラスのお母さん』と呼ぶ。

Ukulelemamanです。

 

メディアで西洋の事を紹介する時によく『欧米では』と言われているけど、もうそろそろ、『欧米では』でまとめちゃうの、やめませんか?と、思っているのは私だけでしょうか。数多くある欧州の国の中のどの『欧』のことを指しているのかさっぱり分からないし、『欧』と『米』でもかなり違いがあると思っている。

今日は、そんな『欧』の中でも育児についての考え方が異なるドイツとフランスについて書いてみる。

 

ドイツでは、die Rabenmutter(ディ ラーベンムッター)

der Rabe=カラス die Raben=カラスの複数形

die Mutter=お母さん

カラスのお母さんという言葉が存在する。

これは育児をしない悪い母親という意味。例えば、育児をせずにフルタイムで仕事をする母親のことを指す。そして、可哀想なことにフランス人の母親はそんな悪いレッテルを貼られている。そんなこと、フランス人マダムには痛くも痒くもないのだろうけれど…

 

カラスの親子を見たことがないから、想像できないのだけど、カラスのお母さん鳥は雛に餌を与えず、雛は一人前になる前から巣を出て生きているように見えたことから、こう呼ばれるようになったとか。

 

ドイツで息子を産んで、フランスで生活をしていると、特に育児についてはこの二国間で差があるように感じる。これから書くことはあくまでも個人の見聞が元なので、違う意見を持つ方もいるかもしれない。まぁ、参考までに。

 

【ドイツ】

・母乳が何よりも一番。子どもが母乳を必要でなくなるまで与えることを推奨している。妊娠中に行った両親学校では、母乳が子どもへの一番の栄養だし、ミルクのように温度を気にしなくても母乳はいつも最適な温度である、おっぱいをペロッと出せば簡単に赤ちゃんとって最高・最適なものを与えることができる、とまで言っていた。

・長い育児休暇。3歳になるまで育児に専念している人を聞いたことがある。

(注) 仮に従業員が3年間育児のために職場を空けたとしても雇用主はこの従業員を法律上解雇することはできない。(実際最近では3年取る人は少ないと思うけど。)

ドイツでで子どもが6ヶ月の時に職場復帰しようとした知人は、周囲から『die Rabenmutter =カラスのお母さん』と思われるのではないかと苦悩していた。私が妊婦であった時も、同僚から『育児休暇はどれくらい取るの?3年?』と言われたことがある。

・(金銭的に国からサポートしてもらえる)育児休暇の期間は14ヶ月間を夫婦や2人のパートナーの間で、どちらがどれくらい取るかを決めることができる。例えば、2人で7ヶ月ずつでもいいし、母親が12ヶ月で父親が2ヶ月でもいいし、母親が10ヶ月で父親が4ヶ月でもいい。自由に決められる。

 

【フランス】

・母乳にこだわらない。

フランス人の知人は、生後まもない子どものお世話を男性にもしてほしいから、ミルクを与えたいと言っていた。(←非常に極端な例。)ミルクだったら男性も手伝えるでしょ?という意見。まぁ、たしかに。

・短い育児休暇。生後4ヶ月で子どもを保育園やシッターさんに預ける。早いと2ヶ月で仕事復帰をする人もいる。

・男性の育児休暇は15日間。※ 2021年の7月からは1ヶ月になるそう。

 仕事復帰が早いから最初からミルクを与えることに落ち着くのでしょう。母乳だと夜中に起きたりして翌日の仕事に響くかもしれないし。

 

つい最近、公園で夏以来見かけなかった1歳半の男の子とその子のおじいちゃんに再び会った。たわいのない話をしていると、

『孫の母親と父親は山へバカンスに行っているんだ。だから、自分が孫の世話をしている。前の夏に君に会った時も2人がバカンス中だったんだ。こうして孫と一緒に時間を過ごせるのはいいね。』

 

『わたしも山へ息子なしでバカンスへ行きたああああああああい!!!!!!』(心の声…)

という気持ちを抑え、思った。逆算して、夏に会った時のこの男の子は1歳になっていないはず。そして、おじいちゃんに聞いてみた。夜はお母さんがいなくてもしっかり寝てくれるのかと。

案の定、全く問題ないと。

きっと慣れなんだなぁ。小さい時からお母さんがいなくても寝れる練習をしている。でも、そんな小さい時から、息子を誰かに預けてどこかに行く勇気、自分にはなかったなぁ。母乳あげてたし、絶対無理。

 

そうここが違う、母乳育児。日本とドイツは母乳育児が社会全体で推奨されている。フランスで母乳を与えられていない子ども達は、おそらく、おしゃぶりやdoudou(ドゥドュ)と呼ばれる柔らかいぬいぐるみやタオルが安心素材になって、それさえあれば小さな赤ちゃんでも一人で寝れるようになっているのではないかと推測。実際、フランスでは3歳ぐらいに見える小さい子どもが、未だにおしゃぶりをしていたり、doudou を持ちながら道を歩いている姿を見たことがある。

 

小児科での定期検診では、先生から息子がおしゃぶりやdoudouを持っているか聞かれ、持っていないと答えると、『お母さんのあなたがお子さんのdoudouなのね。』 と言われた。生後間もない時に息子にもdoudouを与えたけど愛着が湧くこともなくベッドにただ転がっているだけだったし、おしゃぶりも好奇心で与えてみたけど、舌で押し返して嫌がった。もし、わたしの存在以外で落ち着く何かが生後まもなくからあったとしたら、わたしも今頃フランス人カップルのように息子を預けて山や海へバカンスへ行けたのかな (そんな風に思う私はカラスのお母さん?)、なんて思うけど、生まれたての息子にはやっぱりわたしの元で安心してほしかったかな、とも思ったり…

 

母乳育児の考え方や保育園やシッターさんに預けることなく可能な限り自分で子育てをする、という考え方や価値観はドイツと日本は似ている気がする。(日本で子育てをしたことはないけど…) フランス人女性は子どもが生まれても、生まれる前の生活を崩すことなく、いかに自分が楽に子育てをするか、に重点があるように思う。そんなフランス人のお母さん達をドイツ人お母さん達が眩しそうに、でもどこか批判的な目で見ている。

 

子育ての考え方や価値観って、もちろん個々で違うけど、国が変わるとさらにその違いが明確になる。何が良いとか悪いとかって無いと思うけど、それぞれのライフスタイルに合った幸せを感じる育児ができるといいよね。

 

Ukulelemamanでした、

今日もありがとうございました!

 

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